Back Light Museum

日頃のこととかを時々ぼそぼそと

とあるチェキのはなし

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 とある店舗の「推し」を推していた時のお話。

 

 「推し」はすごく人気のある方で、

周りのスタッフやオタクの皆さんからも好かれていた。

そんな「推し」が卒業することになった。

 

 僕はその「推し」を最初は一人で推していたんだけれども、

いろんなイベントに通ううちにだんだん

他のオタさんと交流が生まれ、仲良くなっていった。

 そのなかで一人すごく仲良くしてくださる方ができて、

その友人と店舗に行き、一緒にオタ活するようになった。

 

 「推し」が卒業する直前の一週間は卒業WEEKで

普段は「推し」と一緒にチェキが撮れて、

そのチェキにお絵かきをしてくれたり、

ゲームをしながらお話ができるんだけど、

「推し」はものすごく人気があって、

その卒業WEEKはご主人様・お嬢様がたくさんご帰宅するので、

ゲームがストップになったり、チェキのお絵かきがサインのみになったりで

最終的にはチェキのお絵かきもストップになってしまった。

 

 その時も仲良くしてくれていた友人と一緒にいて、

「推し」とお絵かきのされていないチェキを撮影した。

友人は何も書かれていないチェキを眺めると、

バックからペンを取り出して、そのチェキにお絵かきを始めた。

普段はメイドさんがお絵かきを描いてくれるチェキに、

オタクの立場で描き込みをしたのである。

その人のちょっとつたなさのある、でもかわいい文字やイラスト・模様が

無地のチェキの全面に広がっていった。

 

 「推し」から「オタク」へのチェキとしては、

いつものものとは違う不完全なものだったかもしれない。

(もちろんそれはその店舗のルール上での対応で、その状況下では仕方のないこと。)

 それを「オタク」側からチェキに描き込みをして、

「不完全」だったチェキを「完全体」にする。

「推し」と「オタク」がお互いの事情を把握し、

意識しあってるからこそできる共同作業ではないか!

その完全体となったチェキは思いやりや優しさに溢れた

とても美しい「愛の結晶」じゃないか!と感動した。

すごい行為を目の前で見ているんだと内心でうわわわわわわってなってた。

 

 時間は経過する。

「推し」が卒業し、もう一人店舗に”応援したいなと思える人”ができた。

本当に会った回数は少なかったが、少しは仲良くできたのかしら?と思っている。

”その人”も明日で卒業してしまう。

今日もたくさんのお客さんが押しかけ、忙しそうだけれど

”推し”とオタクの幸福な関係性がいたるところで紡がれている。

 

 今日店舗で作業しながらその友人がしていた

「推し」と「オタク」の共同作業を思い出していた。

 ”推し”と一緒に撮ったチェキ。

僕はそれをそのまま受け取って

たくさんお絵かきや思いを書きこんでみた。

とってもいいチェキがここにまた一つできた。

 

 明日の”推し”の卒業、イベントしか参加できないんだけれども、応援してます。

最高な1日になりますように。